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突然だが、私には忘れられない言葉がある。「楽しい事はほとんどなくて辛いことばかりだったけど、諦めずに戦ってくれた皆に有難うといいたい」。今年の夏の高校野球で、初戦で敗退したチームの主将が、試合後のインタビューで涙を流しながら言った言葉だ。この言葉を聞いて、私は自分自身の高校時代を思い出した。
吹奏楽部だった私は、仲間と共に毎日練習に取り組んでいた。演奏する機会が多いため、忙しく、厳しいクラブだったが、とても充実した日々を送っていた。しかし、検定試験が多い学科の生徒だった私は、試験や補習で部活を休まなければならないことがよくあった。両立が出来ずにイライラしたり、友達との関係がぎくしゃくしたこともあった。だから私は、何度も「部活を辞めたい」と思った。実際、途中で辞める人も多かった。
それでも3年間続けることが出来たのは、いつもそばにいてくれる友達の存在があったからだ。辛い時はとことん励ましてくれた。私に良い事があれば、自分のことのように喜んでくれた。時には、私のために厳しい言葉も投げ掛けてくれた。きっと私の親より私のことを理解してくれていたと思う。そんな仲間達と迎えた3年生の夏は、コンクールで全国大会を目指して練習に励んだ。
3年間で一番苦しい時だった。でも、諦めなかったから、関西大会で金賞を受賞することが出来た。結局、全国大会に進める関西代表には選ばれずに引退を迎えた。悔しかったけど、精一杯皆でやった結果を今でも誇りに思う。
卒業式の日、ひとりの友達が私に短い手紙をくれた。その中に、こんな言葉があった。「大学生になっても、おばさんになっても、お婆ちゃんになっても、ずっと友達でいようね」普段なら恥ずかしくて言えないような言葉を、普段毒舌な彼女は素直に贈ってくれた。苦しかったけど、3年間部活を続けることが出来て、素敵な言葉をくれる最高の仲間に巡り合えた私は、本当に幸せ者だ。そう思った。
高校生という遊びたい時期に、部活のために3年間の全てをかけることは容易ではない。だが、3年間を部活動にかけた私は、吹奏楽を通じてひと回りもふた回りも成長することが出来た。甲子園で野球をする彼らも、野球を通じて大人になっていくのだろう。どんなかたちであれ、何かに真剣に打ち込める青春って素晴らしいと思う。【中村文香】
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